数日前、「奈良好き人のつどいが企画する」西山厚先生の「正倉院展講座」を拝聴しました。
正倉院宝物について、歴史の楽しみ方として教えていただいたこと。
それは
「他人ごとにしない」
「自分ごととして考える」
ということ。
宝物が「なぜ残されたのか」ということ。
それはきちんと記録に残されているのです。
正倉院で大切に保管されている宝物は、
聖武天皇が大切にしていたものを光明皇后が大仏様に献納したもの。
聖武天皇は大仏様をつくった人。
亡くなられたあと、妻の光明皇后は、
聖武天皇が大切にしていたものを大仏様に全て献上したのです。
その理由は、目に触れるとくずれ、くだけてしまうという理由からです。
楽器も袈裟も厨子も、一つ残らず。
ただ、ただ辛いという理由から。
そこには光明皇后の聖武天皇への深〜い愛が感じられます。
こういう視点で宝物を拝観すると、一つ一つが愛おしく感じますね。
正倉院が始まったのは1946年(昭和21年)。
地域の人が声をあげたことに始まり、多くの人が「生きる力が湧いた」と称賛したため、毎年開催されることになったといいます。
奈良はやはり「はじまり」にふさわしい土地ですね。
そのお話を聞き、ようやく会期ギリギリで正倉院展へ。
お話を聞いたあとだったので、宝物の見るべきところを理解でき、すーっと入ってきました。
こういう奈良の楽しみ方を、ぜひたくさんの方に味わっていただきたいな〜と感じたとともに、
来年はギリギリにならないように早めに行って、その魅力をお伝えせねばと思いました。